3. 合併症
・糖尿病

妊娠中毒症と合併することが多く、また奇形児出産や死産、新生児死亡の頻度が高くなります。
妊婦の尿中に糖が出ることはまれではありません。しかし、定期健康診断で2.3回続いたら、
糖尿病の検査をうけましょう。


・心臓病

軽い労作(日常の主婦の家事程度)でもどうき、息切れ、めまい、疲労があるようでは妊娠継続
は無理です。


・腎臓病

慢性腎炎のある人は、妊娠中毒症が併発しやすく、しかしその多くは重症となります。


・腎

症状は高熱、腰痛、下腹部で比較的多い病気です。


甲状線機能亢進症

流・早産を起こす心配があります。


・梅毒

胎児に感染して、流・早・死産したり、先天性梅毒の児が産まれます。
早期に発見して治療すれば胎児も心配はありません。


・喘息

妊娠中はふだんよりよくなる場合もありますが、分娩後は一般に悪くなりがちです。


・肺結核

分娩後、急に悪化することがあります。


・虫垂炎

非任時にくらべて炎症がひろがりやすく、流・早産をしばしばおこします。


・感染症

感染しているかどうかを知るために抗原抗体反応や細菌検査をしますが、ウイルスや細菌が検出
されても、必ずしも発病するとは限りません。
B型肝炎:慢性肝炎になる場合もあるので気をつけなければなりません。
また、胎児にも感染して肝炎になるおそれがあります。

風疹(3日はしか):そのものは重い病気ではありませんが、妊娠16週以前に、風疹ウイルス
に感染した場合には、発病しなくても、児に心臓奇形、目の異常、難聴などがおおく現れます。

ヘルペス症:単純性疱疹ウイルスの感染によるもので、胎児の奇形発生と新生児の全身性感染症
などで死亡することがあります。

トキソプラズマ症:母体にはとくに症状がなくても、流・早・死産になったり、水頭症・小脳症
のような奇形児となります。ときには眼や中枢神経障害のある児が産まれます。

カンジタ症(真菌症):外陰部がややはれて、白色の粒子やチーズのような苔状のものが膣にも
付着して、おりものが増え、かゆみもあります。また新生児鵞口瘡の原因になります。