2. 妊娠後半期の異常
・早産、切迫早産

妊娠22週以後37週未満の分娩を早産といいます。
前ぶれは、下腹部重圧感、下腹部痛、腰痛や出血などですが、早産の多くは低出生体重児と
なるため、このような症状があれば診療を受けましょう。


・妊娠中毒症

むくみ、たん白尿、高血圧が主な症状です。
胎盤のはたらきが悪くなるため、低出生体重児になることが多く、また早産、死産の原因にも
なります。体重が1週間で500g以上増えたり、尿にたん白が出たとき。最高血圧が
140以上、最低血圧が90以上のときは注意しましょう。減塩・高たん白食、水分の制限、
心身の安静などが必要です。


・妊娠貧血

妊娠すると鉄分が不足するので食事に気をつけましよう。程度によっては治療の必要が
あります。


・骨盤位妊娠

妊娠中期までは頭位でも骨盤位でも妊娠の継続に影響はありませんが、分娩のとき、骨盤位
は頭位より異常が起こりやすいものです。


・多胎妊娠

妊娠中毒症、早産になる頻度が高く、低出生体重児が多くなります。


・前置胎盤

胎盤が子宮口(胎児の出口)の一部または、全部をふさいでいる状態で、妊娠末期になると
痛みを伴わないで出血したり、分娩時に突然多量に出血することもあります。


・過期妊娠

予定日をから2週間をすぎても産まれないときを過期妊娠といいます。
予定日を過ぎると胎盤の機能が低下して、胎児に障害をきたすことがあるので、尿中ホルモン
測定や胎児心拍変動検査をするなどして、胎児や胎盤の状態を監視する必要があります。